
7時間の院内研修を終えた夜、
温かいフォーを食べていた。
「美味しいですね」
ただそれだけの言葉が、体に染みる。
長い時間、話して、動いて、
体を使ったあとの温かい食事は
静かに体を緩めてくれる。
体が思い出す瞬間
今日の研修は予定より長くなり、
気がつけば7時間になっていた。
途中、呼吸を整えてから立ってみる。
そのとき
大きな声が上がるわけではない。
ただ、みんなが立った瞬間に
「あ、」という顔をする。
体が何かを感じたときの、
静かな表情。
その瞬間が、私は好きだ。
こういう現場が
いちばん好きなのだと思う。
体は、ちゃんと知っている。
ただ、思い出すきっかけが
日常の中ではあまりないだけなのだと思う。
子どもが成長していく時間
最後には、
子どもたちの成長の時間の話をした。
子どもは、長い時間をかけて育っていく。
体も同じで
一度や二度で変わるものではない。
成長の途中で、
体と重力との関係は何度も揺れる。
でも、そのたびに
また戻れる感覚を思い出せたらいい。
子どもたちが
自分の体を否定しないまま
成長していけるように。
そのためには
そこにいる大人の状態が
とても大切なのだと思っている。
院長の「10年後」
研修のあと、
ホテルまで送っていただく帰り道。
「お腹すきましたね」
そんな一言から
ふらっとフォーを食べに入った。
奥さんとの出会いの話や
家族の話をしながら食べているとき、
院長がぽつりと言った。
「10年後、自分はどうなっているのかな」
子どもが20歳になる頃のことを、
ふと想像しているような言い方だった。
医院をつくる人の時間も、
家族の時間と一緒に流れているのだなと思った。
体は、静かに変わっていく
そして今朝。
スタッフの一人が
こんな話をしてくれた。
ここしばらく
腰の重だるさがないという。
「そういえば、ここ2ヶ月くらいないんです」
本人もその場で
「あ、そう言えば…」と気づいた様子だった。
ずっとあった不調が
気づいたらなくなっていた。
体の変化は
こういうふうに起こることがある。
ドラマチックに
「治った」と感じるよりも
いつのまにか
「あれ、そういえば最近ないな」
と気づくような変化。
体は本来、
無理に変えなくても整っていく。
体は、ちゃんと戻る力を持っている
体は
ちゃんと戻る力を持っている。
それを思い出せる場を
歯科医院の中につくること。
それが、
私が院内研修で大切にしていることの一つです。

