前回の記事では、
肋骨の動きをセルフチェックする方法をご紹介しました。

「思ったより動いていない」
「左右差が大きい」
そんな気づきがあった方も多いのではないでしょうか。

そして実際の現場では、
セルフケアや呼吸を意識しても
なかなか肋骨が柔らかくならない人がいます。

その背景には、
肋骨そのものの問題だけでは説明できないケースが少なくありません。

肋骨は、呼吸だけで動いているわけではない

肋骨は呼吸に合わせて
広がり、閉じる構造をしています。

そのため
「呼吸が浅い=肋骨が硬い」
と考えられがちですが、
それだけでは足りないことがあります。

私が施術や講座の現場で多く見てきたのは、
自律神経の状態が肋骨の動きに大きく影響しているという事実です。

緊張が続く体は、肋骨を“動かさない”

自律神経は、
・安心しているか
・常に緊張しているか
・無意識に頑張り続けているか

そうした日常の状態を
体の使い方として表します。

交感神経が優位な状態が続くと、体は

・息を吸ったまま止まりやすい
・吐く動きが小さくなる
・胸郭を固めて安定しようとする

という反応を起こします。

このとき肋骨は、
「動かない」ことで体を守っています。

つまり肋骨の硬さは、
問題というより
体の防御反応として現れている結果である場合も多いのです。

「肋骨を柔らかくしよう」としてもうまくいかない理由

肋骨が動かないと、
ついそこだけを何とかしようとしてしまいます。

ですが、
自律神経が緊張モードのままでは、
肋骨は本来の動きを取り戻しにくい。

体は
「まだ緩む準備ができていない」
と判断しているからです。

これは大人だけでなく、
子どもの姿勢や呼吸にも共通して見られる反応です。

子どもの姿勢・噛みしめ・口呼吸とのつながり

歯科の現場で見られる

・口が閉じにくい
・噛みしめが強い
・姿勢が安定しない

といった子どもたちの状態も、
単に筋力や癖だけで説明できないことがあります。

緊張が抜けにくい体では、
胸郭や肋骨が十分に動けず、
呼吸が浅くなりやすい。

その結果として、
姿勢や顎・口まわりの使い方に影響が出るケースも少なくありません。

肋骨は「結果として」変わっていく

肋骨は、
意識的にコントロールする対象というより、
体の状態が変わった結果として動き出す部位です。

・安心できる呼吸
・支えやすい姿勢
・無意識の力みが減った体

そうした変化の積み重ねの先に、
肋骨の柔らかさがあります。

もし
「呼吸もストレッチも頑張っているのに変わらない」
と感じているなら、

それは失敗ではなく、
体が別の入口を求めているサインかもしれません。

次回は
「それでも肋骨が戻らない人へ」
肋骨ではない場所から整えていく視点について
もう少し詳しくお伝えします。

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