〜「治す」ではなく「整う」と知った体験〜
ロルフィングという言葉に初めて出会ったとき、私は正直「最後の希望」のような気持ちでした。
膝の手術を終え、リハビリも頑張っている。
それでもどこか、体が元に戻らない感覚が残っていたのです。
痛みというより
自分の体なのに、うまく扱えない感覚。
そんなときに出会ったのがロルフィングでした。
想像していた施術とは違っていた
初めて受けたロルフィングは、いわゆる“癒し”の施術ではありませんでした。
私が受けたのは、ロルフィングの中でもストラクチャー(身体構造)に働きかけるアプローチ。
創始者である Ida Rolf が築いた流れを汲む、筋膜への深いアプローチです。
正直に言うと——
痛かったです。
深い部分をゆっくりほどいていくような感覚。
思わず力が入る瞬間もありました。
でも不思議と
「やめてほしい」とは思わなかったのです。
むしろ
長い間そこが、リリースされるのを待っていた
そんな感覚がありました。
マッサージのように表面をほぐされる気持ちよさとは明らかに違う。
体の奥の“位置関係”が変わっていくような、不思議な体験でした。
テーブルから降りた瞬間に起きたこと
施術が終わり、立ち上がったとき。
まず驚いたのは足の裏でした。
床に「乗っている」のではなく、
床と足がぴたりと合っている感覚。
姿勢を良くしようとしていないのに、体がスッと立っている。
そして歩いてみると、軽い。
ただ軽いのではなく
動きやすい。無理がない。
そのとき初めて、私は思いました。
これは「治された」のではない。
体が、本来の位置に戻って “整った” 感覚なんだ と。
そのときは、まだ全部は分かっていなかった
今振り返ると、あの頃の私はまだ
ロルフィングのすべてを受け取れる準備ができていませんでした。
その後に出会う、神経や感覚の世界に働きかけるアプローチには
まだ辿り着いていなかったのです。
でも確実に、あの日から始まっていました。
体を「悪いところを直す対象」として見るのではなく
体と対話し、本来のバランスに戻っていくものとして見る人生が。
ロルフィングとの出会いは、
私の体の感覚だけでなく、体との向き合い方そのものを変えた出来事でした。


