— 体の外側と内側から、子どもを支えるために —
私が歯科医院の先生方と連携するようになったのは、はじめから目指していたわけではありません。
もともとは、自分自身の体の不調をきっかけに、ロルフィングというボディワークに出会い、身体は構造から変わるということを体感したところから始まりました。
その学びを深め、施術家として活動を始めた当初は、40代・50代の女性を中心にセッションを行っていました。
出産や子育て、更年期を経験してきたからこそ寄り添える身体の悩みがあると感じていたからです。
しかし、大人の身体を見続ける中で、次第に強く感じるようになったことがありました。
「多くの不調は、大人になって突然始まったのではなく、子ども時代からの身体の使い方や姿勢の積み重ねの結果ではないか」
この気づきが、「子どもの姿勢」に目を向けるきっかけになりました。
子どもの姿勢は、注意ではなく“育てるもの”
お母さんたちの声を聞き、子どもたちと直接関わりながら、どう伝えたら子どもに届くのかを試行錯誤する中で生まれたのが「コドモの姿勢®︎LABO」の活動です。
私は、姿勢を
「正すもの」「注意するもの」
ではなく、
呼吸や動きやすさを支える“土台”として育てるもの
と捉えるようになりました。
そしてこの活動を続けていた2018年、名古屋の歯科医院のスタッフの方から1通のメールが届きます。
「子どもの姿勢について学びたいと探していて、コドモの姿勢®︎LABOを見つけました」
ここから、歯科医院との連携が始まりました。
姿勢・呼吸・口腔は分かれていない
歯科医院で先生方やスタッフの皆さんと話を重ね、実際にワークを体験していただく中で、私は強く感じました。
歯科が見ている「お口の中」と、私が見てきた「全身の姿勢や呼吸」は、別のものではないということ。
・頭部の位置
・胸郭の動き
・呼吸の深さ
・体幹の安定性
これらは、舌の位置や口腔機能とも深く関係しています。
一方で、歯科医院という環境は、子どもにとっては緊張しやすい場所でもあります。
そこで私が大切にしているのは、姿勢指導の前にまず「安心できる状態」をつくることです。
その背景には、身体心理学である ソマティック・エクスペリエンシング の学びや、ポリベーガル理論の理解があります。
子どもの神経系が安心している状態でなければ、どんな良い指導も届きません。
姿勢は筋肉だけでなく、神経系の状態とも深く関係しているのです。
私の役割は「治す人」ではなく「土台を育てる人」
歯科医院との連携の中で、私はますますはっきりと自分の役割を感じるようになりました。
私は、症状をその場で整える人ではなく、
子どもが自分の体をうまく使えるようになる土台を育てる人。
そしてそれを、歯科の先生方やスタッフの皆さんと一緒に、日々の診療の中で活かせる形に翻訳する人なのだと思っています。
姿勢、呼吸、口腔。
体は分かれておらず、やさしくつながり合いながら働いています。
そのつながりを大切にしながら、これからも歯科医療の現場と協力し、子どもたちの未来の身体を支えるお手伝いを続けていきたいと考えています。

