― 海外での子育て経験から見えてきた、体と環境の関係

海外で暮らしていたとき、
その違和感に気づいていなかった。
台北で、3歳の長女を連れて暮らしていた頃。
毎日を回すこと、守ることに必死で、
「環境が体に与える影響」まで、考える余裕はなかった。
その後、ダイアナを極め、
再び中国で暮らすことになった。
次女は小学1年生。側弯がある子だった。
そして数年後、日本に帰国し、
ロルフィングに出会った。
トレーニングの最中、
ある瞬間にハッとした。
海外の家具は、海外規格。
大人の私が椅子に座っても、
足が床につかないことが普通にあった。
「あれ?」
と思った。
これって、子どもも同じじゃない?
子どもは成長途中の体で、
合わない椅子に座り、
足が宙に浮いたまま、
毎日を過ごしている。
それは姿勢だけの問題じゃない。
呼吸、集中、安心感、
体の使い方すべてに影響する。
そのとき初めて、
過去の記憶が一本につながった。
海外で子どもを育てるということ。
家具、住環境、学校、生活リズム。
大人以上に、子どもは
「環境の影響をそのまま体で受け取る」。
だから私は、ずいぶん前に、
海外で子育てをする人向けに、
オンラインで
子どもの姿勢や家具、環境面の相談を受ける
小さなメニューを
自分のサイトに、ひっそりと置いた。
誰からも依頼は来ていない。
正直に言えば、今もそう。
でもそれは、
思いつきでも、戦略でもなかった。
ただ、
自分が通ってきた場所に、
そっと灯りを置いただけだった。
今になって思う。
気づくタイミングは、
いつも後からやってくる。
体験があって、
知識が重なって、
ようやく言葉になる。
遠回りに見えても、
無駄な時間はひとつもなかった。
私はずっと、
「体が無理をしない環境」を
見続けてきただけなのだと。

