院内研修のあと、正直少しだけ不安が残っていました。
あの日、伝えたことは
シンプルすぎたかもしれない。
もっと何か教えた方がよかったんじゃないか。
そんなふうに、帰り道にふと考えていました。
歯科医院という現場に、
「姿勢」や「呼吸」という見えにくいものを持ち込むことは、
いつもどこか手応えと同時に、わずかな揺れも残ります。
本当にこれでよかったのかな、と。
これまでの私は、
院内研修でできるだけ多くのことを渡そうとしていました。
姿勢の見方、体のつながり、足の使い方。
現場で役に立つと思うことを、できるだけすべて。
ですが今振り返ると、それは
「伝えたい」ではなく
“これだけ伝えたから大丈夫”と思いたい自分のための情報量
だったのかもしれません。

歯科医院の現場は忙しく、
身体の専門家ではないスタッフが関わる場所です。
その中で本当に必要なのは、
たくさんの知識ではなく
“その場で使えるシンプルな関わり”
でした。
今回の院内研修では、意識的に
「減らす」ことを選びました。
伝える内容を増やすのではなく、削る。
その代わりに、
歯科の現場でそのまま使える形に変換すること
に焦点を当てました。
姿勢を正すことではなく、
呼吸がしやすくなる位置を一緒に探すこと。
この考え方は、私が「ゼロポジ」と呼んでいるものです。
→(ゼロポジ記事リンク)
評価するのではなく、
気づける関わりに変えること。
その一点に絞りました。
そして後日、院長から届いた振り返りの言葉。
「シンプルにこれをやればいいと言い切ってもらえたのがよかった」
「身体のことがわからない僕たちでもやりやすかった」
「鼻呼吸が大事だと身をもって感じた」
「明日から現場でやってみようと思えた」
この言葉を読んだとき、
ああ、ここだったんだなと思いました。
たくさんの情報を伝えることではなく、
“現場で使える形で残ること”
それが価値だったのだと。
特に印象に残ったのは、
「シンプルにやればいいと思えた」
という一言です。
どれだけ良い内容でも、
複雑なものは現場では続きません。
誰でも、どの場面でも、
同じように関われる。
そのシンプルさこそが、
現場を変えていくのだと思います。
そしてもうひとつ。
「鼻呼吸が大事だと身をもって感じた」
これは知識ではなく、体験です。
体で感じたことは、
すぐに結果が出なくても、
神経系の中で時間をかけて育っていく。
一度体験した感覚は、
その人の中に残り続けます。
私の活動は、子どもの姿勢を直すことではありません。
子どもが「自分の体はダメだ」と思わずに成長できるような
関わり方や環境を整えること。
そのために、まず必要なのは
大人の見方や関わり方が変わることです。
今回の院内研修を通して、
「減らすこと」が、結果的に
現場での変化につながることを改めて実感しました。
これからも、
伝えることを増やすのではなく、
現場に残るものを大切にした関わりを
続けていきたいと思います。
もし、
「現場でどう伝えたらいいのか」
「スタッフと共有する形がわからない」
と感じている場合は、
歯科医院での院内研修として、具体的な関わり方をお伝えしています。
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