身体のことって、どうしたらもっと簡単に伝わるんだろう
― ゼロポジ®が生まれるまで ―
私は10年ほど前から、
お箸の持ち方を習う頃に、身体の基本的な使い方も学べたらいいのに。
と思っていました。
立つこと。
座ること。
呼吸すること。
力が入りすぎていることに気づくこと。
毎日使っている身体なのに、意外とこういうことを習う機会はありません。
調子が悪くなってから身体のことを知るのではなく、
もっと小さい頃から、自分の身体について知ることが当たり前になったらいい。
そんなことを、ずっと考えていました。
身体のことを伝えるのは、思った以上に難しかった
私の身体を見る土台には、ロルフィングがあります。
ロルフィングでは、手技だけでなく、
自分の身体を感じながら動く「ムーブメント」も学びます。
でも、私自身がムーブメントを受け始めた頃は、
「何を感じたらいいんだろう」
「これを日常でどう使えばいいんだろう」
と、分かりにくさを感じることがありました。
とても大切なことを扱っているのに、
それをそのまま人へ伝えるのは難しい。
そこから私は、
どうしたら身体のことを、もっと簡単に伝えられるんだろう。
と考えるようになりました。
子どもに伝えようとすると、もっとシンプルにする必要があった
その後、子どもの姿勢に関わる活動を始め、
歯科医院からも、
「子どもに姿勢のことをどう伝えたらいいですか?」
と相談されるようになりました。
ここで、さらに難しさを感じました。
専門的な身体の話を、そのまま子どもに伝えても届きません。
大人には説明できても、
子どもには伝わらない。
では、どうしたらいいのか。
難しい身体の話を、できるだけシンプルに。
「教える」よりも、「自分で分かる」形にできないか。
そんなことを考えながら、
現場で伝え方を工夫してきました。
そして、ゼロポジ®という形になった
その積み重ねから生まれたのが、
ゼロポジ®です。
ゼロポジ®は、
「正しい姿勢」を覚えるためのものではありません。
自分が今どんなふうに立っているのか。
どこに力が入っているのか。
どこなら少し楽なのか。
それを、自分の身体で感じていく。
そして気づいたときに、
自分で戻れるようになる。
そのための入り口です。
子どもに伝えるために、
できるだけシンプルにしていったものですが、
実際には大人にもそのまま使えました。
考えてみれば当然で、
子どもも大人も、身体の基本は同じです。
身体のことを学ぶのが、特別ではない文化へ
10年前に考えていた、
お箸の持ち方を習う頃に、身体の基本的な使い方も学べたら。
という思いは、今も変わっていません。
あの頃は、
まだどうやって伝えたらいいのか分かりませんでした。
でも、ロルフィングを学び、
子どもや大人の身体を見て、
歯科医院などの現場で伝え方を考えてきたことで、
少しずつ形になってきました。
それが、今のゼロポジ®です。
身体のことを知ることが、
特別な人だけのものではなくなること。
子どもも大人も、
自分の身体に気づき、
自分で戻れること。
そんなことが、
暮らしの中で当たり前になっていったらいい。
私は今も、そう思っています。

