圧迫骨折から10か月。身体はここまで戻ってきた

昨年12月、私は圧迫骨折をしました。

最初の頃は、動くことそのものが怖くて、身体を守ることが最優先でした。

痛みがなくなること。
普通に歩けるようになること。
日常生活ができるようになること。

もちろん、それも大切な回復です。

でも、ロルファーとして長く身体を見てきた私にとっては、

「痛くなくなったから、もう治った」

だけでは、どうしても満足できませんでした。

私は、自分の身体にはかなり厳しいのかもしれません。

歩けるようになったら、今度は、

「以前のように身体はつながって動いているかな」

「まだどこかを守っていないかな」

「回旋は戻ってきたかな」

そんなことが気になり始めました。

「歩ける」だけではなく、どう歩いているか

犬の散歩は、私にとって格好の身体チェックの時間でした。

ただ歩数を稼ぐのではありません。

歩きながら、

左右の足への体重の乗り方。
歩幅。
骨盤や胸郭の回旋。
腕の振り。
身体全体のつながり。

そんなことを感じていました。

最初はゆっくり。

少しずつ距離を伸ばし、身体の反応を見ながらスピードも上げていきました。

速く歩いた時に身体が固まらないか。

どこか一部分だけで頑張っていないか。

以前のように、身体全体が自然に連動しているか。

違和感があれば少し戻す。

大丈夫そうなら、また少し試してみる。

そんなことを繰り返してきました。

私にとって回復とは、ただ「できるようになること」ではなく、

身体の細かな反応を感じながら、動きを取り戻していくこと

だったのだと思います。

動けない時にも、呼吸はできた

圧迫骨折をした直後は、思うように身体を動かすことができませんでした。

力を入れることも難しい。

活動量が大きく減ったので、お腹まわりにはしっかり脂肪もつきました(笑)。

これはもう、ある程度仕方がない。

でも、そんな時にもできることがありました。

呼吸です。

私は回復の過程で、ひとつ自分の身体で実験していました。

それは、

胸郭をできるだけ大きく動かして呼吸すること。

身体を外から固めるのではなく、呼吸によって身体の内側から体幹を作っていけないだろうか。

そんなことを考えていました。

肋骨が広がる。

胸郭が動く。

それに伴って、脊柱にも小さな動きが生まれる。

身体の内側に空間ができる。

私は、そんな感覚を確かめながら呼吸を続けていました。

その結果なのか、今の私は骨折前よりも胸郭が少し大きく、広がったように感じています。

外から見れば、

「少し身体が大きくなった?」

と思われるかもしれません。

確かに、お腹の脂肪は増えました。

でも、

今の身体は、ただ太っただけではない。

私自身はそう感じています。

ボーカルレッスンでも、呼吸を使った

6月からは、ボーカルレッスンも再開しました。

歌うことも、私にとっては身体を取り戻す時間になりました。

声を出す時には、当然、呼吸を使います。

息がどこに入るのか。

肋骨がどう広がるのか。

胸郭がどう動くのか。

声を出した時、身体の内側がどう反応するのか。

歌のためだけではなく、身体の回復という意味でも、意識的に呼吸を使っていました。

同じ頃から、加圧トレーニングも再開。

9月からは気功も始めました。

筋力を戻すこと。

歩くこと。

呼吸すること。

声を出すこと。

ゆっくり身体を感じること。

違うことをしているようで、私の中では全部、

自分の身体をもう一度つなぎ直していく作業

だったのだと思います。

骨折前の身体に戻りたかったわけではない

私は、ただ圧迫骨折を治したかったわけではありません。

そもそも私には骨粗鬆症があります。

だから、

「骨折前の身体に戻れば、それで終わり」

とは思っていませんでした。

これから先も歩きたい。

仕事をしたい。

旅行にも行きたい。

好きな服を着たい。

身体を動かすことを楽しみたい。

そのためには、

これからの自分の身体をどう使っていくのか

を考える必要があると思ったのです。

だから私は、回復の過程で、

呼吸を使い、
胸郭を動かし、
脊柱の動きを感じ、
歩行の回旋を取り戻し、
少しずつ筋力も戻してきました。

私にとってこの10か月は、

骨折前の身体に戻る時間ではなく、これからの身体をつくり直す時間

だったのかもしれません。

回復とは、身体をもう一度信頼できるようになること

最近になって、ようやく

「ああ、本当に回復してきたな」

と思うことが増えました。

それは単に痛みがないからではありません。

動いた時に、身体がちゃんとついてくる。

少し速く歩いても怖くない。

身体をひねった時に、以前のようなつながりが感じられる。

自分の身体を、

また使っていいんだ

と思えるようになってきた。

私にとっては、それが大きいのだと思います。

姿勢改善も、私は同じだと思っています。

正しい形に身体を押し込むことではありません。

今の自分がどう立っているのか。

どこで頑張っているのか。

どこなら、もう少し楽に動けるのか。

それを感じながら、自分で少しずつ選び直していく。

気づいて、また戻る。

今回の回復の過程で、私自身がずっとやっていたことも、結局そこでした。

そして、残ったのはお腹の脂肪(笑)

さて。

ここまで身体はかなり戻ってきました。

胸郭も広がった。

呼吸もしやすくなった。

脊柱の動きも戻ってきた。

歩くスピードも上がってきた。

身体の中身については、かなり満足しています。

そして今、残っているのが、

動けなかった時期についてしまった、お腹の脂肪(笑)。

ここはこれから、ぼちぼちです。

でも私としては、

回復の過程で得た胸郭の広がりや、呼吸や、動きやすさは残したい。

その上で、余分についた脂肪だけ少しずつ減らせたら。

それができたら、

それこそ「やったー!!!」です。

骨折前と同じ身体に戻るのではなく、

骨折を経験したあとだからこそ作れた身体で、これからを楽しむ。

今は、そんなところにいます。

※この記事は、私自身の圧迫骨折後の身体の記録です。回復過程や運動の再開時期は一人ひとり異なりますので、骨折後の運動や身体の動かし方については、医療機関での診断や指示を確認してください。