筋膜も人生も、こんがらがっているところを探すのが好き。
私はロルファーという、身体を扱う仕事をしています。
ロルフィングでは、筋膜を含めた身体全体のつながりを見ながら、その人の身体がどう動いているのかを探っていきます。
身体のどこかが動きにくい。
でも、原因がそこにあるとは限らない。
腰がつらいからといって、腰だけを見ればいいわけじゃないんです。
どことどこが関係しているんだろう?
どこで動きが妨げられているんだろう?
そんなことを考えながら身体を見ています。
要するに、
どこでこんがらがっているのかを探しているわけです。
そして最近、気づいたことがあります。
私、人生でも同じことをしているんじゃないかしら。笑
人生も、なかなかこんがらがる
これまで海外生活も経験したし、子育てもしてきました。
子どもたちの受験なんて、もう本当にいろいろありました。
自分の思い通りになんて、そうそう進みません。
知らない制度に戸惑ったり、予定が狂ったり、突然問題が起きたり。
そのたびに、
「えー!どうするの、これ!」
と、あたふたする。
冷静沈着に、すべてを見通して対処してきたわけではありません。
むしろ、その逆。笑
でも、困ったからには何とかしなきゃいけない。
調べる。
考える。
人に聞く。
別の方法を探す。
そうやっているうちに、少しずつ解決の糸口が見えてくる。
そして、また次の問題が起きる。
まったく、人生って忙しいですね。笑
あたふたしているうちに、能力が高くなった
今振り返ると、私の人生は予定通りに進まなかったことの方が多いかもしれません。
でも、そのおかげで身についたものもあります。
知らないことを調べる力。
問題を整理する力。
人に頼む力。
決断する力。
そして、どうにもならないことは諦める力。
これ、意外と大事です。笑
気がつけば、ずいぶんいろんなことができるようになっていました。
あたふたしているうちに、妙に能力が高くなってしまったんです。
計画的な自己啓発ではありません。
必要に迫られた結果です。笑
人の相談を聞いていても、つい探してしまう
友人や知人から、何か相談を受けることがあります。
そんなとき、私はつい考えてしまうんです。
「この人、いったいどこでこんがらがっているんだろう?」
本人は、目の前の出来事に困っている。
でも、話を聞いていると、問題はそこだけじゃないことがあります。
いろんな事情が絡んでいたり、何を優先したいのか分からなくなっていたり。
あるいは、本人がどうにかしようとしていることが、そもそも本人にはどうにもできないことだったり。
そんなときは、
「それ、本当にあなたが何とかしなきゃいけないこと?」
なんて思うこともあります。
ちょっと余計なお世話かもしれませんが。笑
ただ、私も失敗は山ほどしてきました。
偉そうに人生の正解を教えられる立場ではありません。
むしろ、
「いやー、私もずいぶんやらかしてきたわよ」
という方です。
でも、だからこそ、どこに解決の糸口がありそうかを一緒に探すのは、けっこう好きなんです。
子どもの姿勢を見ていても、同じことをしている
私は歯科医院や学校などで、子どもの姿勢教育にも関わっています。
そこでも、同じようなことが起こります。
「この子、姿勢が悪いんです」
と相談される。
でも、私は姿勢の形だけを見るわけではありません。
その子は、どんなふうに座っているんだろう?
何がやりにくいんだろう?
そもそも本人は困っているんだろうか?
保護者は何を心配しているんだろう?
スタッフは何に困っているんだろう?
そうやって見ていくと、最初に聞いた「姿勢が悪い」という問題とは、少し違うものが見えてくることがあります。
子どもの背中を伸ばす前に、大人の頭の中を整理した方が早いこともあるんです。
おっと、これはちょっと言いすぎかしら。笑
でも、実際にそういうことはあると思っています。
こんがらがったものは、力任せに引っ張らない
糸が絡まったとき、無理やり引っ張ると、かえって結び目がきつくなることがありますよね。
身体も、ちょっと似ています。
動かないところを無理に動かそうとするより、ほかの部分との関係を見直した方が、変化のきっかけが見つかることがあります。
人生もそうかもしれません。
何とかしようと頑張りすぎて、ますますこんがらがる。
だったら、いったん様子を見てみる。
何と何が絡んでいるのか。
どこからなら手をつけられそうか。
そもそも、自分でほどく必要があるのか。
放っておいた方がいい結び目だって、あるかもしれません。
全部を解決しようとしなくてもいいんですよね。
……と、今なら言えます。
若い頃の私に言っても、たぶん聞かなかったでしょうけど。笑
結局、こんがらがりが好きなのかもしれない
こうして考えると、私は昔から、すっきり答えが出ないものに興味があったのかもしれません。
身体も、人も、人生も。
教科書通りにはいかない。
同じように見えても、一人ひとり違う。
だから面白い。
ロルファーになったのも、きっとそういうところに惹かれたからなんでしょうね。
とはいえ、自分の人生までこんがらがってほしいわけではありません。
できれば平穏に暮らしたい。
朝はのんびりお茶を飲んで、好きな服を着て、機嫌よく過ごしたい。
でも、何か面白そうなことがあると、つい首を突っ込んでしまう。
そして、またあたふたする。
もう、これは性分なんでしょうね。笑
筋膜も人生も、どこでこんがらがっているのかを探すのが好き。
ただし、人生の方は、なるべくほどけた状態で暮らしたいものです。
もう十分、鍛えられましたから。笑


