何度施術を受けても戻る。その“身体の自動運転”を変えていますか?

「ここが痛いです」
「動きにくいです」
「どうにかしてください」

そう言って、施術を受けに来る。

その気持ちはよくわかります。

痛いときは、誰かに何とかしてほしい。

でも、長年身体を見てきて、私はかなりはっきり思うことがあります。

今までと同じ身体の使い方を続けながら、施術だけで何とかしようとしても、変化には限界があります。

身体には、その人が何十年も繰り返してきた「いつもの使い方」があります。

立つとき。
歩くとき。
座るとき。
スポーツをするとき。

本人は意識していなくても、身体はいつものやり方を選びます。

それが、身体の自動運転です。

たとえば、ずっと同じ場所に力を入れて動いてきた人。

施術で一度そこが楽になっても、日常に戻った瞬間に、また同じ使い方をする。

すると身体は、慣れ親しんだ場所へ戻っていきます。

「施術を受けたのに、また痛くなった」

ということが起こります。

これは、施術が無駄だったという話ではありません。

むしろ、そのとき身体に起きた変化を、

そのあと自分がどう使うか。

そこがとても大切です。

以前、長年スポーツを続けてきた方が、身体の痛みや動きにくさを抱えてセッションに来られたことがありました。

何度セッションを重ねても、

「何も感じません」
「変わりません」

という言葉が続きました。

身体の変化は、施術者だけがつくるものではありません。

施術によって身体に新しい可能性が生まれても、

いつもの立ち方。
いつもの歩き方。
いつもの力の入れ方。

そこに何も注意を向けなければ、身体はやっぱり使い慣れた方へ戻ります。

だからロルフィングでは、私は「どこが治ったか」だけを見るのではなく、

足の裏はどう感じるか。

呼吸はどう変わったか。

立ったとき、さっきと何が違うか。

歩いたとき、どこを使っているか。

そんな小さな違いを、自分で感じてもらいます。

自分の身体の変化に気づく。

そして、新しく見つけた使い方を、日常の中でも少しずつ使ってみる。

その繰り返しで、身体の「自動運転」に新しい選択肢が増えていきます。

何十年も使ってきた身体です。

一度の施術で、すべての習慣が書き換わるわけではありません。

でも、

「あ、いつもここに力を入れていたんだ」
「こっちの方が楽に立てる」
「この歩き方なら、さっきより無理がない」

そんな小さな気づきが積み重なると、身体の使い方は変わっていきます。

自分の身体に何が起きているのか、一緒に見ていく。

施術を受けることも大切です。

でも、身体はそのあとも毎日、自分が使い続けます。

誰かに整えてもらった身体を、
そのあとどう使うか。

そこまで含めて、

自分の身体との付き合い方

だと私は思っています。