私は、子どもの頃からずっと、力で頑張るタイプだったのだと思います。
バスケットボールをしていた頃もそうでした。
うまくいかなければ、もっと練習する。
もっと力を使う。
もっと頑張る。
大人になってから始めたバレエでも、同じでした。
身体をもっときれいに使いたい。
もっと動けるようになりたい。
そう思って、一生懸命やりました。
仕事でも、子育てでも、海外生活でも。
何か起きれば、
「私がやらなきゃ」
と動く。
休むより先に、やる。
それが私にとって、とても普通のことでした。
だから、自分がずっと「頑張っている身体」だったことにも、長い間気づいていませんでした。
その後、私はロルフィングを学び、仕事として人の身体を見るようになりました。
さらにSE(Somatic Experiencing®)やハンナ・ソマティクスを学び、神経系や身体感覚について知るようになりました。
そこで、昔の自分のことが少しずつ違って見えるようになりました。
中国での生活。
家族全体を動かす海外赴任と帰国。
思うように回復しなかった膝。
帰国後に経験したパニック発作。
当時は、
「どうしてこんなことになったんだろう?」
と思うばかりでした。
もちろん、何が本当の原因だったのかを一つに決めることはできません。
でも、神経系について学んでから振り返ると、
私はずっと、身体ごと緊張した状態で走り続けていたのかもしれない。
そんなふうに理解できるようになりました。
そして、それは中国生活で突然始まったものではありませんでした。
もっと昔から、
力を使って頑張る。
それが、私の身体にも、生き方にも染みついたパターンだったのだと思います。
ここで大切なのは、
「だから昔の私は間違っていた」
とは思っていないことです。
あの頃の私には、それが必要でした。
頑張る力があったから、乗り越えられたこともたくさんあります。
仕事をした。
子どもを育てた。
海外で家族の生活を回した。
知らない土地で、たくさんの人と関わった。
その時の私を支えてくれたのも、きっとその「頑張る力」でした。
だから、
昔の身体を否定したくない。
以前の身体を否定することは、そこまで生きてきた自分まで否定することになるように思うからです。
そして今も、私の「力で頑張る」パターンは残っています。
なくなったわけではありません。
忙しくなると、力が入る。
何か起きると、休むより先に動こうとする。
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」となる。
今でもあります。
ただ、以前と少し違うことがあります。
気づけるようになりました。
「あ、また頑張りすぎているな」
「肩に力が入っているな」
「呼吸が浅くなっているな」
「いつもの動き方に戻っているな」
そういうことを、身体から受け取れるようになりました。
そして、気づけば、
少し力を抜いてみる。
動き方を変えてみる。
身体を感じてみる。
自分でケアしてみる。
休む。
必要なら専門家の力を借りる。
違う選択ができます。
私は最近、
パターンをなくすことより、気づいて戻れることの方が大切なのではないか
と思っています。
身体の癖も、生き方の癖も、長い時間をかけて身についたものです。
全部消して、
新しい正しい自分になる必要はない。
まず、
「今、私はどうなっている?」
と気づく。
そして、
今の自分に合う方法を選ぶ。
それでいいのではないでしょうか。
これは、子どもの姿勢を見る時にも同じだと思っています。
猫背だから直す。
姿勢が悪いから正す。
そんなふうに、すぐ外から形を変える前に、
「この子の身体は、今どうしているんだろう?」
と見る。
今、どこで身体を支えているのか。
どんな呼吸をしているのか。
どこに力が入っているのか。
その姿勢にも、その子なりの理由があるかもしれません。
理由が全部分からなくても構いません。
まず今の状態に気づくこと。
そして、子ども自身も、
「自分の身体は今こうなんだ」
と感じられること。
私はそこを大切にしたいと思っています。
ゼロポジ®でも、最初から身体を「正しい形」にしようとはしません。
まず、
「私の身体、今どうしてる?」
と感じます。
そして、少し違う使い方を試してみる。
その時に、
「こっちの方が呼吸しやすい」
「足の裏がさっきより感じられる」
「こっちの方が楽かもしれない」
と、自分の身体から返ってくるものを受け取ります。
昔の身体を捨てるのではなく、
これまでの身体を否定せず、今の自分に合う身体の使い方へつなぎ直していく。
私は今、そんな身体との付き合い方がいいと思っています。
身体も、人生も、
全部を一度に変えなくていい。
まず、
今の自分に気づくところから。
そこから、選べることは少しずつ増えていきます。


