「正しい姿勢って、何だろう?」
背筋を伸ばす。
胸を張る。
まっすぐ座る。
私たちの中には、なんとなく
「正しい姿勢」という完成形があって、
そこに身体を合わせるのがいいこと、というイメージがあります。
でも、身体を長く見ていると、
正しい姿勢って、本当にひとつなのかな?
と思うことがあります。
同じ人でも、その日の身体の状態は違います。
疲れている日もあれば、元気な日もある。
立っているとき。
座っているとき。
歩いているとき。
身体に必要な支え方も、その時々で変わります。
姿勢を見るときに、私が大切にしていること
私は姿勢を見るときに、
形がきれいかどうかだけではなく、
その身体が、今うまく使えているか
を見ています。
呼吸はしやすいか。
身体を無理なく支えられているか。
必要以上に力んでいないか。
動こうとしたときに、身体がつながって動けるか。
見た目には少し丸く見えていても、
本人が楽に呼吸できて、自然に動けていることもあります。
反対に、背筋をピンと伸ばして一見きれいに見えていても、
身体のあちこちに力が入り、呼吸がしにくくなっていることもあります。
姿勢は、誰かに採点してもらうものではなくて、
自分の身体をどう使っているかが表れているもの。
私は、そんなふうに考えています。
子どもの姿勢を見るときも同じ
子どもの姿勢を見るときも、
「形」を見るだけではなく、
今、呼吸しやすそうか。
身体を無理なく支えられているか。
どこか一か所だけ頑張りすぎていないか。
そんなふうに、身体全体の状態を見ていきます。
子ども自身も、
「こっちの方が楽」
「さっきより呼吸しやすい」
「この方が座りやすい」
と、自分の身体の違いを感じられるようになる。
この体験が、
自分の身体を使っていくための手がかりになります。
歯科医院で姿勢を見る理由
歯科医院で子どもの姿勢を見るときには、
さらに口腔発育とのつながりがあります。
大切にしているのは、
口腔機能が働きやすい身体のポジションを見ていくこと。
呼吸しやすい。
身体を支えやすい。
その状態で、口や舌も使いやすい。
身体の土台が変わると、
口腔機能の使いやすさにも変化が出ることがあります。
その土台の上で、MFTへつなげていきます。
「姿勢をどう直すか」という視点だけではなく、
この子の身体は、今どうしたらもっと使いやすくなるだろう?
と見ていく。
それが、私が歯科医院でお伝えしている「姿勢を見る」ということです。
正しい姿勢を探すより、使いやすい場所を見つけていく
大人でも子どもでも、
「姿勢が悪いから、直さなきゃ」
と思ったときには、少しだけ自分の身体に聞いてみてください。
今、呼吸しやすいかな。
楽に支えられているかな。
動きやすいかな。
正しい姿勢に直すより、
自分の身体が使いやすい場所を見つけていく。
そこから、姿勢の見え方は少し変わってくるかもしれません。

