先日、腰がかなり痛くなった。
寝転んでいても痛くて、
「ひょっとして、また骨?
折れた?」
と思うくらいだった。
身体の仕事をしているからといって、身体で困らないわけではない。
痛ければ憂鬱にもなるし、
「これ、大丈夫かな」と不安にもなる。
その日は、まさにそんな一日だった。
寝る前、仰向けになって、スーパーボールを使って身体をゆるめてみた。
どこに置けばいいかは、だいたいわかる。
ここかな。
もう少しこっちかな。
身体の反応を感じながら、ポイントを探した。
翌朝起きたら、少し楽になっていた。
その日の午後、友達と電話で話しながら、また床に仰向けになって、同じあたりにボールを置いていた。
そうしたら、ずいぶん楽になった。
その時、ふと思った。
ああ、私、ロルフィングをやってきてよかったな。
ロルファーだから、身体で困らないわけじゃない
ロルフィングを仕事にしてきて、よかったことはたくさんある。
いろんな身体を見てきた。
いろんな人に出会った。
仕事として長く続けてこられた。
でも今になって思う。
私がいちばん嬉しいのは、そこではない。
自分の身体に何か起きた時、
「今、どうなっているんだろう」と自分で感じられること。
そして、
「ここかな」
「こうしてみようかな」
と、自分の身体に何をしてあげたらいいのかを考えられること。
もちろん、自分ですべて治せるわけではない。
今回の痛みの原因が何だったのかも、これだけでわかるわけではない。
病院で診てもらう必要がある時もある。
専門家の力を借りた方がいい時もある。
でも、それとは別に、
自分でもできることがある。
それを知っている。
私は、それができるようになったことが嬉しい。
仕事が広がったことや、仕事として成立したこととはまた別のところで、
これは、ロルフィングを長くやってきた自分を、いちばん褒めてあげたいことの一つかもしれない。
身体を感じる力は、困った時に役に立つ
自分の身体のことは、自分にしかわからないこともある。
「いつもと違う」
「ここが気になる」
「こうすると少し楽」
そんな身体からの情報を、自分で受け取る。
そのためには、普段から身体の感覚を感じ取る力を少しずつ育てておく。
何か起きてから急に身体を感じようとしても、なかなかわからない。
だから普段から、
「今、どこに力が入っている?」
「足の裏は、どう床に触れている?」
「この方が呼吸しやすい?」
そんな小さな感覚に気づいておく。
それが、困った時に役に立つ。
「自分でもできる」は、選択肢がひとつ増えること
これは、何でも自分で何とかするという話ではない。
病院へ行く。
専門家に相談する。
休む。
必要なら、人の力を借りる。
そのうえで、
自分でも身体を感じて、できることを試してみる。
そんな選択肢も持っている。
どれか一つでなくていい。
自分の身体について、自分にもわかることがある。
自分でもできることがある。
身体を感じる力を育てることは、
身体との付き合い方の選択肢を増やすことでもある。
私は、この先の身体を、不安ばかりで見ていたくない。
身体には、これからもいろんなことが起きると思う。
痛くなる日もある。
思うように動かない日もある。
「これ、大丈夫かな」と不安になることだってある。
それでも、
「自分でもできることがある」
と知っている。
それだけでも、身体との付き合い方は少し変わると思う。
だから、身体を感じることを伝えている
ここまで書いて、ひとつ気づいた。
考えてみれば、私がゼロポジ®をつくったのも、ここにつながっている。
正しい姿勢を覚えてほしかったから、だけではない。
自分の身体を、自分で感じる。
「私の身体、今どうしてる?」
と、自分に聞いてみる。
そして、身体から返ってくるものを感じ取る。
その力を、少しずつ育てていく。
それがあれば、身体で困った時の選択肢がひとつ増える。
もちろん、病院へ行ってもいい。
専門家に頼ってもいい。
自分一人で何とかする必要なんてない。
でも、自分の身体を誰かに全部預けてしまわなくてもいい。
自分の身体だからこそ、自分にしか感じられないこともある。
身体で困らない人をつくりたいんじゃない。
困った時にも、自分の身体と付き合える人を増やしたい。
たぶん私は、そのために身体を感じることを伝えている。
そして今、自分自身が身体で困った時に、その力に助けられている。
長く身体の仕事を続けてきて、今になって思う。
自分の身体と、自分で付き合っていける。
それは私がロルフィングをやってきて手に入れたものの中で、
いちばん大切なものの一つだと思う。

