姿勢や身体の使い方について伝えるとき、私は以前からよく、
「選択肢を提案する。選ぶのは本人」
と話してきました。
子どもたちに姿勢を伝えるときも同じです。
いつも背筋を伸ばしている必要はありません。
ソファで丸くなって、だらっと過ごしたいときだってあります。
大切なのは、自分が今どうしているのかを感じられること。
そして、
「こんな座り方もある」
「ここで身体を支えることもできる」
「少し違う動き方をしてみてもいい」
と、身体の中にいくつかの選択肢があることです。
選択肢があれば、そのときの自分に合うものを自分で選べます。
まず、自分の身体を感じることから
けれど、選ぶためには、その前に自分の身体を感じることが必要です。
今、どこに重さがあるのか。
どこに力が入っているのか。
呼吸はどうしているのか。
この動きは楽なのか、それとも少し頑張っているのか。
そうしたことに気づけるようになると、
「いつものやり方」以外の動きも試せるようになります。
感じる。
気づく。
少し違う動きを試してみる。
そして、自分で選ぶ。
ロルフィングのセッションで私が大切にしているのも、この流れです。
私はCertified Rolfer™であると同時に、Rolf Movement® Practitionerでもあります。
手技によって身体のバランスを見ていくことと、本人が自分の身体を感じ、動きの中に新しい選択肢を見つけていくこと。
その両方を大切にしています。
身体は、ずっと同じではないから
私たちの身体は、暮らしの中で変わっていきます。
仕事や生活環境が変わることもあれば、怪我をすることもあります。
以前は楽にできたことが、今は少し違って感じられることもあります。
もちろん、成長過程にある子どもも同じです。
そんなとき、以前と同じ身体の使い方に戻ろうとするだけでなく、
「今の身体なら、どんな選択肢があるだろう」
と探してみる。
それは諦めることとは少し違います。
今の自分の身体と、もう一度関係を結び直していくこと。
身体との関係は、一度つくって終わりではなく、人生に合わせて何度でも調整していけるものだと、私は思っています。
動きに、選択肢という自由を
振り返ってみると、子どもの姿勢を伝えていた頃から、私はずっと同じことをしていたのだと思います。
正解をひとつ渡すより、身体の中にいくつかの選択肢を増やしていく。
そして、選ぶのはその人自身。
ロルフィングでも、ゼロポジ®でも、子どもたちへの身体教育でも、この考え方は変わりません。
身体を感じる力が、動きの選択肢をひらく。
そして、動きの選択肢が増えることは、身体の自由度が広がることでもあります。
その小さな自由の積み重ねが、暮らしや人生の中での自由にも、少しずつつながっていくのだと思います。
動きに、選択肢という自由を。

