ロルフィングには、10回のセッションをひとつの流れとして身体を見ていく「10シリーズ」があります。
初めてロルフィングを知った方からすると、
「10回受けたら、身体は全部よくなるの?」
「10回終わったら、それで完成なの?」
そんなふうに思うかもしれません。
10回のセッションで、今感じている不調が大きく改善する方もいます。
一方で、すべてが10回で解決するとは限りません。
身体には、それまで長い時間をかけて身につけてきた使い方があります。
立ち方。
歩き方。
座り方。
呼吸の仕方。
自分では気づかないうちに、いつも力を入れている場所があったり、身体の一部を使わないようにしていたりすることもあります。
過去の怪我や運動習慣、仕事の仕方、日々の生活も、今の身体につながっています。
だから私は、10回という回数だけで身体のすべてが完成するとは考えていません。
では、なぜ10シリーズを大切にしているのか。
それは、10回で身体を「完成させる」ためではなく、
これから自分の身体を感じながら、動きながら、生きていくための土台をつくる時間
だと考えているからです。
ロルフィングでは、痛みや不調のある場所だけを見るのではなく、身体全体を見ていきます。
足が床をどう感じているのか。
身体をどこで支えているのか。
呼吸はしやすいのか。
立ったとき、歩いたとき、身体の中でどんな動きが起きているのか。
そして、重力の中で身体全体がどのようにバランスをとっているのか。
毎回のセッションの中で、身体そのものが少しずつ変化していくこともあれば、
「あ、ここに力を入れていたんだ」
「この方が楽に立てる」
「足の裏で床を感じるって、こういうことなんだ」
と、自分の身体について初めて気づくこともあります。
こうした体験を重ねることも、10シリーズの大切な部分です。
10回を終えたとき、
「自分の身体との付き合い方が、少し分かってきた」
と感じる方もいます。
そこで、ようやくスタートラインに立ったように感じる方もいるでしょう。
一方で、まだ自分の身体をどう感じたらいいのか、はっきり分からない方もいます。
それも自然なことだと私は思っています。
身体との関係は、一人ひとり違います。
変化の速さも、気づき方も違います。
だから、10シリーズを終えたあと、そのまま一区切りとして終える方もいます。
一方で、身体の変化をもう少し続けて見ていきたい、自分の身体との関係をさらに深めたいと、その後もセッションを受け続ける方もいます。
どちらが正しいということではありません。
「まだ受けた方がいいから、ずっと通ってください」
ということでもありません。
その時の自分の身体を感じながら、自分で選んでいけばいい。
私はそう考えています。
10シリーズで大切なのは、10回で何かを終わらせることではありません。
セッションの中で体験した身体の感覚を持って、また日常へ戻っていくこと。
その身体で歩き、働き、遊び、暮らしていくこと。
そして日常の中で、
「今日は少し力が入っているな」
「こっちの方が呼吸しやすいな」
「この立ち方の方が楽だな」
と、自分の身体に気づく機会が少しずつ増えていく。
身体は、セッションを受けている時間だけ変わるものではありません。
日常で身体を感じることを繰り返しながら、その後も変化していく可能性があります。
だから私にとって、ロルフィング10シリーズはゴールではありません。
これから自分の身体と付き合っていくための入り口。
そんなふうに考えています。
ロルフィングに興味はあるけれど、10シリーズを受けるかどうか迷っている方は、まずはお試しセッションからでも大丈夫です。
実際にセッションを受けながら、どんな触れ方なのか、どんなふうに身体を見ていくのかを体験してみてください。
お試しセッションについては、ロルフィングのページからご覧いただけます。

