歩きながら拾ってきたもの

イギリスの小さな村を歩いていた。

どこへ向かうわけでもなく、
地図を見ながら、
気になった路地を曲がり、
気になったお店をのぞく。

そんな時間だった。

昔の私は、
もっと目的地を決めていた気がする。

効率よく回ろう。

せっかく来たのだから見逃さないようにしよう。

そんなふうに考えていた。

でも最近は少し違う。

歩いている途中で気になったものに立ち止まる。

予定になかったお店に入る。

思いがけない景色に出会う。

そんな時間が好きになった。

振り返ってみると、
私の人生も同じだったのかもしれない。

ロルフィングも。

子どもの姿勢の活動も。

学校での講演も。

歯科医院での講座も。

最初から計画していたわけではない。

その時々で気になったものに近づき、

「なんでだろう?」

と思ったことを追いかけ、

出会った人たちと話しながら、

少しずつ拾い集めてきた。

だから私は、

何かを持っている人というより、

歩きながら拾ってきた人なのだと思う。

そして今も変わらない。

コーヒーを飲みながら。

街を歩きながら。

人の話を聞きながら。

体の変化を感じながら。

今日も何かを拾っている。

体を感じるということは、

世界を感じるということ。

人生は、
目的地に向かうだけの旅ではなく、

歩きながら拾う旅なのかもしれない。