ロンドンのカフェでコーヒーを飲みながら、ぼんやりと人の流れを眺めていた。

旅行先では、観光地を巡ることも楽しい。
でも私は昔から、人を眺めるのが好きだ。
どんな服を着ているんだろう。
どんな歩き方をしているんだろう。
どんな表情をしているんだろう。
気がつくとそんなことばかり見ている。
ロルフィングを学んでからそうなったのではない。
もともと私は「なんでだろう?」が好きだった。
ただ、ロルフィングを学んでから、そのアンテナが体にも向くようになった。
呼吸。
足裏。
重力。
歩き方。
立ち方。
人は言葉だけで生きているわけではない。
体からもたくさんの情報を発している。
そして面白いことに、自分の体を感じられるようになると、世界の感じ方も変わってくる。
風の気持ちよさ。
コーヒーの香り。
街の空気。
旅先で出会う人たち。
以前よりも細かく感じられるようになる。
ロルフィングは体を整える技術だと思われることが多い。
もちろんそれもある。
でも私にとっては少し違う。
体を整えることが目的ではなく、
自分の体を通して世界を味わえるようになること。
その方がずっと面白い。
ロンドンのカフェでコーヒーを飲みながら、
そんなことを考えていた。
いや、正確には考えていたというより、
何かを感じ取りながら、また新しい拾い物をしていたのかもしれない。


