長年、通ってくださっている女性のクライアントさんがいます。
初めて来られたのは、40代半ばの頃でした。
きっかけは、リンパマッサージのセラピストさんからのご紹介。
「とにかく全身が硬くて、いくら揉みほぐしても追いつかないんです。ロルフィングならどうかと思いまして。」
そんなふうに紹介されて来られました。
確かに、体はとても硬かった。
特に肩まわりは、いつも力が入っているように見えました。
私は彼女の体に触れながら、
「ここでずっと頑張っているんだな。」
と感じていました。
ロルフィングの10シリーズを終えても、すぐにふわっと緩むような体ではありませんでした。
そして、自分の体で起きていることにも、あまり気づかない方でした。
でも私は、それを悪いことだとは思っていませんでした。
人には、それぞれ暮らしている環境があります。
自分では簡単に変えられない状況もあります。
もしかしたら、いろいろなことを感じすぎていたら、毎日をやっていけない時期もあるのかもしれません。
だから私は、
ここに来ることで少しでも体の力を抜く時間が持てるなら、それでいい。
そう思っていました。
彼女もセッションを気に入ってくださり、その後は月に一度くらいのペースで通ってくださいました。
そして今日。
約ひと月ぶりに彼女の体を見た瞬間、
「あれ?」
と思いました。
いつも張って見えていた肩が、華奢に見えたのです。
話を聞くと、最近、彼女を取り巻く状況に少し変化があったようでした。
体は正直だな、と思いました。
そしてセッション中、彼女がこんなことを言いました。
「自分の体の様子に気づけるようになってきたんです。」
そして続けて、
「だから、ここのところ不調がないんです。」
私は、この言葉がとても嬉しかった。
最初の頃は、自分の体で何が起きているのか、あまり感じられなかった人です。
10回受けたら、急に全部が変わったわけでもありません。
それでも、長い時間をかけて自分の体と付き合う中で、
少しずつ、
「あ、今ちょっと違う。」
「今日はこんな感じ。」
と、自分の体の様子を受け取れるようになった。
不調がなくなったから、体に気づけるようになったのではなく、
体に気づけるようになったから、大きな不調になる前に自分の様子が分かるようになった。
そして、もう一つ。
気づいたら、戻る。
それができるようになってきたのかもしれません。
「あ、肩に力が入っているな。」
そう気づいたら、少し力を抜いてみる。
また力が入ることもある。
そして、また気づく。
また戻る。
体に力が入らなくなったわけではありません。
いつもリラックスしていられるようになったわけでもありません。
気づいたら、戻る。
その小さな繰り返しができるようになった。
だから、大きな不調になるところまで行かなくなったのかもしれない。
私は、そんなふうに感じています。
体の感覚は、
「感じなさい。」
と言われて、すぐに感じられるものではありません。
その人に必要な時間があります。
だから私は、急がせたくありません。
その人の体が、自分の感覚を受け取れるようになるまで。
一緒に付き合っていけたらいい。
今日、いつもより華奢に見えた彼女の肩を見ながら、
長くこの仕事を続けてきてよかったな、と思いました。
ロルフィングについて
ロルフィングの流れやセッション内容、料金などの基本的な情報は、ロルフィングのページでご紹介しています。
こちらのブログでは、ロルフィングで実際によく起こる体験や、体との関係づくりについて、一つひとつ言葉にしていきます。
気になるテーマから、自由に読んでいただけたら嬉しいです。
「自分の体を味方にして生きる」
という考え方に興味を持たれた方は、ぜひロルフィングのページもご覧ください。

