“間違った身体”として扱わない
最近、あらためて大事にしていることがあります。
それは、
「身体を“間違ったもの”として扱わない」
ということです。

私は施術中、あまり使わないようにしている言葉があります。
「ここ硬いですね」
「歪んでいますね」
「ここ使えていませんね」
もちろん、体には緊張もあります。
呼吸しづらくなっている場所もあるし、
動きにくくなっている場所もあります。
でも私は、その状態を単純に“悪いもの”として扱いたくないのです。
なぜなら、その身体は、その人なりに生きてきた結果だから。
実は私自身、これまでたくさんの“身体に対する言葉”に傷ついてきました。
姿勢。
体型。
女性らしさ。
ブラジャー。
年齢。
「ここを直した方がいい」
「ここがダメ」
そういう言葉に、
身体ごと反応してしまう感覚を、ずっと持っていました。
だから今、施術では断定しすぎないように気をつけています。
「こうやって使ってきたのかもしれないね」
「ここが頑張ってきたのかもしれないね」
そんなふうに、
少し余白を残しながら触れる。
曖昧に聞こえるかもしれません。
でも、否定されると、身体は閉じてしまうことがある。
私は長年、手を通してそれを感じてきました。
先日のセッションでも、
ずっとお腹まわりに力が入り、
呼吸が浅くなっていた女性がいました。
横向きになり、
肋骨の下から体側にかけて触れていた時、
「そこかもしれない…
ずっと触れてほしかった場所」
と、ぽつりと言われました。
でも同時に、
「自分では、
どこが苦しかったのかわからなかった」
とも。
そのエリアが少し緩んだ時、
今まで固まっていた体側が、
ふっと動き始めました。
私は、この肋骨の下から体側にかけてのエリアは、
女性にとってとても大切な場所だと思っています。
呼吸。
頑張り方。
防御。
安心。
女性性。
いろいろなものが重なりやすい場所だからです。
私は以前、
ダイアナで長年女性の身体や下着に関わる仕事をしていました。
その後、ロルフィングを学び、
筋膜や呼吸、
身体のつながりを見てきました。
だから今は、
その人の身体だけではなく、
その人がどう生きてきたのか。
どんなふうに頑張ってきたのか。
どんな言葉を受け取ってきたのか。
そんなことも含めて、
身体に触れている気がします。
身体は、
間違ってこうなったわけではない。
私は最近、ますますそう思っています。
そしてこれは、
子どもの姿勢や歯科の現場でも同じです。
「正しい姿勢」に当てはめる前に、
まず、その子が安心して呼吸できるか。
評価する前に、
どう見ているか。
否定から始めないこと。
それが、
私が今いちばん大切にしている“見方”なのかもしれません。


