「体力が落ちてきたから、鍛えなきゃ。」
そんな声をよく聞きます。
私も以前は、「運動しなきゃ。」と思っていました。
でも最近、その考え方が少し変わりました。
鍛えることはもちろん大切です。
でも、その前にアップデートしたほうがいいものがある。
そう思うようになったのです。
それは、体との付き合い方です。
数年前、70代の男性を対象にゼロポジ体操の講座を考えたことがありました。
現役時代は責任ある仕事をされ、高学歴で、とても優秀な方ばかり。
体のことになると、皆さん本当に一生懸命なんです。
「もっと歩こう。」
「筋肉をつけよう。」
「パーソナルトレーニングへ行こう。」
そんなふうに頑張っている。
ところが、無理をしてぎっくり腰になったり、どこかを痛めてしまったり。
もちろん、トレーナーとの相性もあるでしょう。
でも私は、その前に必要なことがあるように感じました。
それは、「鍛え方」を覚えることではありません。
今の体との付き合い方を知ること。
そこが先なのではないかと思ったのです。
実は、このことは私自身にも当てはまりました。
私は圧迫骨折を経験し、
「以前のように走れない。」
という現実を受け入れることになりました。
それでも心のどこかでは、
「今日も運動していない。」
そんなふうに思っていました。
でも先日、自分の暮らしを書き出してみて驚いたのです。
歯磨きをしながら、ゆっくり踵を上げ下げする。
椅子にはドスンと座らず、スクワットをするように最後まで体を支えながら座る。
犬の散歩を少し長く歩く。
お腹が使えているか感じながら暮らす。
私は、ちゃんと体を育てていました。
運動をしていないと思っていたのは、昔の自分を基準にしていただけだったのです。
アップデートするのは、筋肉ではありません。
まずは、自分の体を見る視点です。
今の体は、何を感じているのか。
何なら気持ちよくできるのか。
どんな動きなら安心して続けられるのか。
それがわかってから鍛え始めても、決して遅くはありません。
むしろ、そのほうが遠回りをしなくて済むこともあります。
ロルフィングのセッションでも、私は同じことを感じます。
体は、命令して動かすものではありません。
まずは話を聞く。
そして、その日の体に合った付き合い方を選ぶ。
その積み重ねが、少しずつ体を変えていきます。
だから私は今日も、
「鍛えなきゃ。」
ではなく、
「今日は体が何と言っているかな。」
と、自分の体に問いかけています。
体との付き合い方が変わると、
鍛え方も、暮らし方も、少しずつ変わっていく。
私は、そんなふうに思っています。
体との関係づくりを、日常から。
鍛えることは、とても大切です。
でも、その前に、自分の体との関係を少しだけ見直してみませんか。
毎日の暮らしの中には、体を育てるヒントがたくさんあります。
この「ロルファーの日常」シリーズが、ご自身の体との付き合い方をアップデートする、小さなきっかけになれば嬉しいです。
体との関係づくりを体験してみたいと思われた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

