ボーカルレッスンで、不思議な体験をしました。
先生から、
「眼窩や蝶形骨に響かせるイメージで。」
と言われ、
口を閉じて
「ん~~~~」
と声を響かせます。
その瞬間でした。
頭の中が少し広がるような感覚。
首がふっと楽になる感覚。
そして、デコルテまでいつもよりすっきり見えるような気がしました。
もちろん、一度の体験です。
だから「これです」と言い切るつもりはありません。
でも私は、その瞬間に思いました。
「これは面白い。」
帰りの車の中で考えていたのは、歌のことではありませんでした。
「この感覚は、ゼロポジ®︎とつながっているかもしれない。」
そんなことを考えていました。
私はロルフィングを学び始めてから、身体ではずっと感じていたことがあります。
でも、それを一般の方にどう伝えたらいいのか。
その言葉が、なかなか見つかりませんでした。
専門用語では伝わらない。
かといって、簡単な言葉に置き換えると、本質から離れてしまう。
そんなもどかしさを、ずっと感じていました。
ところが今回、「ん~~~~」という発声をきっかけに、
「これなら伝えられるかもしれない。」
そんな入口を、一つ拾ったような気がしたのです。
私は新しい理論を見つけたわけではありません。
身体で感じていたことを、暮らしの中で伝わる言葉へ翻訳する、新しい入口を拾いました。
ロルフィング。
ゼロポジ®︎。
子どもの姿勢。
歯科医院での活動。
一見すると、別々の活動に見えるかもしれません。
でも私の中では、全部同じ身体を違う入口から見ています。
だから、一つ言葉を拾うと、それぞれの活動が少しずつつながっていきます。
私は、身体で感じていることを、そのまま専門用語で伝えたいとは思っていません。
毎日の暮らしの中で、
「ああ、そういうことだったのか。」
と、その人自身の身体で感じてもらえるような言葉を探しています。
その言葉が見つかると、不思議なことに、身体の感じ方まで変わることがあります。
だから私は今も、体験を重ねながら、言葉を探し続けています。
今回の「ん~~~~」も、まだ探究の途中です。
これから自分の身体でも確かめ、子どもたちとの時間や歯科医院での活動の中でも、少しずつ育てていこうと思っています。
身体は、いつも新しいことを教えてくれます。
そして私は今日もまた、
身体で感じていたことを、誰かに伝わる言葉へ翻訳するヒントを一つ拾いました。
身体との関係づくりを、暮らしの言葉で。
ロルフィングには、長年受け継がれてきた豊かな考え方があります。
私はその考え方を専門用語のまま伝えるのではなく、自分自身の体験を通して、暮らしの中で実感できる言葉へと翻訳しながらお伝えしています。
この「ロルフィング哲学」では、そんな探究の過程も、少しずつ綴っていきたいと思います。

